ロードバイク Advent Calendar 2019 5日目
公道を走る自転車にはベルを付ける義務があります。
最近はベルに加えて保険も義務化する条例を追加する自治体が増えてきています。
今日は自転車保険で保障する区分とその意義について基本のキを書いていきます。
保険会社や商品名は出さずに概略に留めますし、契約内容も変化するものなので実際の契約をよく読んでから加入なさってください。

昨日はゆるくてもガチでも。イベントに参加して、10倍自転車を楽しむ方法。でした。
@oage_on_foxさん、ありがとうございます!
明日は今年買った自転車用品 2019です。

そもそも自転車保険って何?

もちろん自転車走行時の事故に特化した保険です。
しかし自転車走行中のみではなく、歩行時の事故など日常生活までカバーする保険もあります。
ただしその場合も「自転車保険」と謳っているだけあって、自転車事故の補償額が他の事故の2倍であるなど手厚い内容であるようです。
自治体の条例で自転車保険義務化されている場合でも、自動車保険や傷害保険で自転車損害賠償責任保険に相当する補償が付いていればOKなので、必ずしも自転車保険に加入する必要はありません。
条例の義務化について「スポ某ツ安全保険に入ってるからいいや」「せっかくだから青色マークを付けるぜ!」などの判断もあるかもしれません。
しかし加入団体の参加するイベント時のみ補償するなどの制約条件もありますし、今後は「個人賠償責任保険の金額がX億円以上に限る」など条例が具体化する可能性もありますので、過信は禁物です。
あまりこういった説明のあるサイトが多くない不思議。

自転車保険って入った方が良いの?

今のところ自治体条例による保険加入の義務化に違反しても罰則はないようですが、自転車保険は入った方が良いです。
事故の時に脳を、眼球を、手を守る保護装備と同様に、保険は将来の生活を守る装備と言って良いでしょう。

根拠は実体験に基づきます。
被害者であっても入院して診察や治療を受けると一日数万円が溶けます。
高額療養費を使って上限を抑えても大変な出費になります。
弁護士を使えるタイプの保険や盗難補償のある保険などサービスも多様化していますので、走行距離やスタイルに適したサービスを知っておくことは悪くないことです。
なお保険に入っておくとブルベに出られるという利点があります。

でもお高いんでしょう

保険金は安いものから高いものまであります。
私は月額課金をできる限り回避したい性格なのですが、ヘルメットに耐用年数があるのと同様に保険も2年ごとの消耗品と割り切って支払っています。
事故を起こさない努力は怠っていないつもりですが…まあ色々ありました。

飛び出しや追突など不慮の事故を100%防ぐためには引きこもるしかありません。
もしもこちらが加害者になった時は億単位の請求が来る可能性すらあります。
保険金の額に見合うサービスや安心を享受できるかで金額の多寡を判断しましょう。

保障の種類

私は保険会社の回し者ではありませんので、固有名詞は出しません。
自転車保険会社も1社しか使ったことがないので、どの保険が良いか分かりません。
なので今回は保障の種類と意味を紹介します。

個人賠償責任保険

自身が加害者となった時に被害者に対して支払う賠償金を保障します。
ブルベに参加するにはこの金額が1億円以上(執筆時点)の保険加入が必要です。
そのため自転車安全整備店で点検整備をして入れる掛け捨ての保険だけではブルベ参加の要件を満たさない場合があります。
もちろん点検整備を受けるのは良いことです。他の保険と競合して不利益が出ることもないでしょう。

死亡・後遺障害保障、入院・通院給付金

こちらは自身が治療等をした時に受けられる保障です。
給付金を受けられる期間は半年以内の入院のみなど、期間等で給付の条件が決まっていますのであらかじめ確認しておくのが吉です。
1年後に脳のダメージによる突発的な傷害が発症した時にがっかりしなくて済みます。
約款を確認しておかないと、保険窓口担当の申し訳なさそうな声と入院費用で羽の生えた残酷な諭吉のテーゼで本当にがっかりするんですよ…。

自転車本体の補償

事故で破損した自転車の補償です。
盗難保険で損壊した場合の補償を受けられるものもあるようですが、詳細は分かりません。
このタイプの補償とは別で、自身が交通事故被害者の場合は相手から補償を受けることになります。

相手が自動車保険の場合は「本当に乗れないんですか。修理したら乗れませんか?」「送ってもらった写真見ましたけど調査会社がそちらで確認します」「大破なので被害額を支払いますが、5年間の減価償却を計算します。2年乗っているので購入金額の50%です」「セールで割引受けませんでした?購入した店で見積もり出して送ってください」などのやり取りが発生します。
自転車好きならば返答ができますが、好きでない人や精神的に事故のことを考えたくない人は対応が辛くて交渉が面倒になるかもしれません。
保険とは関係ない話になりましたが、事故前というか購入直後に自転車のアセンブルと金額は控えておくと、いざという時に役立ちます。
本人に代わって示談を行ってくれる保険サービスもあります。

盗難保険

自転車が盗難や損壊した時に補償するサービスです。
施錠をはじめ盗難対策は自己で行うべきですが、本気で工具を使う窃盗犯に狙われた時に自衛するのは限界があります。
マンションの駐輪場や通勤で駐車する人の選択肢になるのでしょうか。
グンマー帝国民には分かりかねるところもありますが、どんな状況まで、いくらまで補償してくれるのかを良く確認しながら検討されると良いと思います。

ロードサービス

パンクやディレーラーが故障して自走が困難になった時に使えるロードサービスもセットで付いてくる保険もあります。
私はいざという時の安心のため、ロードサービス付きの保険に加入しています。
実際にパンクした時に一度使おうとしたのですが、電話をして現在位置を伝えた後の確認待ちに40分くらい待たされて「あくまで自転車を搬送するサービスなので、自転車のみ運びます。ご本人は同乗できませんがよろしいですか?」と言われて、よろしくなかったので結局使いませんでした。
この時は「年数回使えるサービスだし、いざという時のために使ってみよう」という状況だったので1時間弱を人生勉強に充ててからパンク修理して事なきを得ました。
口頭で受けた説明に対して私が勘違いや曲解しているだけなら良いのですが…。
きっと保険会社によって対応は変わりますので、条文や評価を確認して判断することをお勧めします。

示談交渉・弁護士費用負担サービス

事故の示談交渉を代行してくれたり弁護士費用を負担してくれるサービスです。
費用負担は100万円までなどの上限もありますのでこれも条件を確認しておくべきです。
私は事故後の保険会社との交渉や領収書の送付、診断書作成が面倒でした。
このサービスに入ってもこれらの作業が不要になる訳ではありませんが、素人がプロに言われるまま作業をする時には、相手方の保険会社よりもこちらの味方になってくれる交渉人や弁護士に指示される方が安心感は得られるかもしれません。
私は事故後の保険の更新で、このサービスを受けられるプランに変更しました。

まとめ

上記の内容以外にも差異は存在します。
本人のみか家族も補償するか、歩行時の補償もあるのかなど諸々の補償内容も検討項目になるでしょう。
自身のライフスタイルで補償してもらいたい範囲と保険金額を天秤にかけながら、最良の保険を見つけてください。

しかし可能な限り感情を交えずに淡々と事実を列挙するつもりでしたが、どうにも私情が含まれる内容になってしまいました。
事故や盗難、メカトラブルはいずれも起きないことが最良です。
「いやー、保険入っても使わなかったわー」と苦笑できますよう、日々の自己防衛を心掛けて良い自転車生活を推敲なさってください!

参考文献 自転車保険の選び方